東京都議会議員選挙

 

ご承知の通り、小池さん率いる都民ファーストの会が圧勝しました。

定数127議席のうち、都民ファースト自体が49議席小池都知事を支持する勢力とあわせると過半数64を超える79議席自民党は改選前の57議席からなんと23議席にまで議席を減らし、過去最大の惨敗だったようです。

 

私が住んでいる世田谷区は定数8名の大選挙区であり、立候補者は18名。国政選挙でもよく見かけるマック赤坂なんかもいます。都民ファーストの候補者2名はワンツーフィニッシュで当選しましたが、8名も受かる訳ですから、結局自民党の候補者3名も(得票数は少なくとも)当選しました。落選したのは無所属の方々ばかりです。当選すればそれぞれ1議席として対等なわけですから、全体としては都民ファースト圧勝といっても、世田谷区ではその結果は全く反映されていない、ということになります。

 

さて今回の選挙結果は、小池さんが支持されたというよりも、国政レベルで自民党が自滅したという見方が大勢のようです。つまり、①加計学園での獣医学部設置を巡る「総理のご意向」疑惑、これに蓋をする形でなされた、②いわゆる共謀罪法案を成立させるときの参議院での強引な決議や、③選挙期間に入ってからは豊田真由子議員の秘書に対するパワハラ、④稲田防衛大臣の問題発言、⑤下村博文文科相加計学園からの違法献金疑惑、等々が重なり、それまで自民党(安倍政権)をなんとなく支持していた層も離れていったのではないか、国政における政権の支持の是非が、都議会選挙にも影響したと、とそういう見方です。

 

私はそれは違うのではないかと思っています。

 選挙の少し前の各新聞社の世論調査における安倍政権の支持率が、その前の世論調査における支持率から急落したということを見れば、大勢の見方が正しいということになりますが、上記の①~⑤に近い話はこれまでもあったわけで(森友学園を巡る安倍昭恵夫人の関与疑惑や、集団的自衛権行使を認め、また自衛隊による他国軍の後方支援を認める内容の安保関連法案改正や、特定秘密保護法案の成立等々)、ここに来て①~⑤が原因で支持率が急落して選挙で大敗したというのはちょっと短絡的すぎるのではないかと。

 

急速に日本を右傾化させている安倍政権に懸念を感じている国民はおそらく報道以上に多いのではないかと私は思うのですが(まあ、私がそういうタイプなので、相当贔屓目が入っていることは否めませんが)、これまではその人たちの受け皿がなかった。

つまり、安倍政権に対して懸念は感じていても、かといって旧民主党に投票するまでには踏み切れなかった国民が多かったのではないかと見ています。少なくとも経済政策を見れば、安倍政権では財政政策を犠牲にし、また成長戦略はいつもやっているふりだけで構造改革など全く進んでいない(やる気がない)ながらも、黒田バズーカと呼ばれる日銀の大規模金融緩和を原因として、株価や為替といった見た目の経済指標は民主党政権より大幅に改善した訳です。経済政策だけではないと思います。米中韓ロとの外交面やその他、旧民主党政権と比べて安倍首相の実行力自体は評価してきた国民はそれなりに多いのではないかと思います。

 

しかし今回、都政のレベルにおいては、小池百合子さんという(この方も保守ですが)それなりの執政経験のある政治家が率いる政治団体が登場した。国政レベルではともかく、都政レベルでは、この団体に任せてみていいのではないかということで都民ファーストが現在の自民党に懸念を持つ人たちの受け皿足り得た、私はそのように見ています。

したがって、仮に近い将来国政選挙があったとして、かつ都民ファーストが国民ファーストとして国政にも進出したとして、今回の都議会選挙の結果がそのまま反映されるかというとそこまではないのではないかと。そのように思っています。

自民党惨敗の陰に隠れていますが、民進党はもっと惨敗している訳ですしね。5議席って、共産党ですら19議席も獲得している訳ですから。

 

まだまだ国政は、安倍1強が続くと思います。